投稿者: 常任幹事 川村大輔
2013-11-19
唐突ですが、皆さんの「ふるさと」とは、どのような光景でしょうか?
私の「ふるさと」は、5歳から19歳の中央大学入学まで過ごした、信州のある市の景色が脳裏に浮かびます。
次のような光景です。
山々のみどりを映して、ゆったりと伊那路へ向かう天竜川がある。ふと目を上げると岡谷のまち並みと長野自動車道の高くて雄大なコンクリート橋が見える。そして、さらに遠くに目を向けると、満々と水をたたえた諏訪湖といくつもの峰を持つ八ヶ岳が見える…。
皆さんもまぶたを閉じれば、きっと、それぞれの「ふるさと」の景色が出てくるのでしょう。
行政書士白門会、福島への親睦旅行。2日目の旅程は、福島県内沿岸部の被災地・塩屋崎周辺地区の見学と日本行政書士連合会被災者相談センター福島事務所の訪問、この2つでありました。
ここで、最初に訪れた塩屋崎までの道中、私の心に深く刻まれた光景がありました。
次のような光景です。
岬に次第に近づくにつれ、一部枯れた草がある中、生活道路を取り囲んでコンクリートの基礎だけが残った家の「名残」がひろがっている。
基礎のなかには、まだしおれていない花が手向けられている。まさに、ここで人が亡くなり、そして、故人を忍んで人がやってくるのだという証として…。
私は、この景色を目にした時、思わず言葉にならない言葉が漏れてしまいました。
かつて、ここにはいくつもの家があって、何代にもわたって人が生活を営んでいた。ここを「ふるさと」として生まれ、育っていった人たちがいた。
「ふるさと」の景色の変わりように、いったいどれだけの悲しみ・嘆きがあるのだろうか。そう思いめぐらしたときに、本当にいたたまれない気持ちになったのです。
普段、私は、報道等やインターネットから物事を「なんとなく」分かったような気になっています。
今回、被災地の光景を自らの目で見ました。
また、塩屋崎灯台近くで土産物屋を経営する社長さんの話や、郡山市に設けられた日本行政書士会連合会被災者相談センターの皆さまのお話を、直にうかがう貴重な機会を得ました。(前日には、スパリゾートハワイアンの支配人さんのお話も伺っております。)
福島に足を運び、現地の方のお話を直に伺うことによって、「なんとなくの実感」が「心に鮮明に刻み込まれた実感」にかたちを変え、その現状と皆さんの心情とが、私の心の中に深く残る旅となりました。
最後に、今も「ふるさと福島」の地で生活していらっしゃる、お会いしたすべての皆さまに感謝の気持ちを込め、御礼の言葉を申しあげます。 幾多の苦難の上、私を温かく迎えて下さって、本当にありがとうございます。
また、今回の旅行を企画運営してくださった諸先生がたにおかれましては、大変貴重な経験をさせて頂きましたことを心より御礼申し上げます。ありがとうございました。
つたなくて大変恐縮でございます。以上を2日目の旅行記とさせていただきます。